こんにちは。
住民票ブロック(住民票の閲覧制限)をかけるときに耳にするであろう用語の意味をまとめ、一覧にしました。
住民票ブロックは、毒親育ちさんが毒親から逃れるために知っておきたい制度の一つです。
ただ、相手が親ということもあって、周りの人に気軽に相談できるものではないですね。
分籍やら除籍やら、実際にどうすれば良いのか分からない…そんな方のお役に立てれば幸いです。
住民票ブロックする前に分籍した方がいいの?
このような疑問を持っている方でも解決する内容となっているので、参考にしてくださいね。
住民票ブロックについて詳しく知りたい方は以下の記事をどうぞ。
それでは早速、用語一覧を見ていきましょう。
①住民票ブロック
住民票ブロックは住民票の閲覧制限を簡素にした言葉。
住民票の閲覧制限とは
- DVやストーカーの被害者が加害者に対して住民票の写しを取得できないようにする支援措置のこと
- 自分の住所が加害者にバレないというメリットがある
- 身の安全を守れる
- この支援を受けるには、役所で認定された後に手続きをすることが必要
②住民票
住民票とは
- 名前、生年月日、住所、以前に住んでいた場所の住所などが載っている書類のこと
- ①世帯主名 ②本籍とその筆頭者名(戸籍の一番最初に記載されている者)③マイナンバー ④住民票コードのこれら4つの記載については、記載するorしないを選択できる
- 日本国内で、住民基本台帳に基づき市区町村ごとに管理されている公簿のこと
- ①口座開設 ②賃貸契約 ③パスポート取得など、様々な場面で必要
毒親に対して住民票をブロックできる
住民票ブロックは配偶者からのDVやストーカーから身を守るために使う制度です。
この制度は毒親に対しても使える制度です。毒親から虐待や暴力など何らかの危害を加えられ、この先も危害を加えられる可能性がある方が対象となります。
③住民基本台帳
住民基本台帳とは
- 住民票をまとめたもの(国民の基本台帳を個別ごとに記載している住民票に対し、それらを編成したものが住民基本台帳)
- 住民の居住関係を公証するもの
④戸籍
戸籍とは
- 日本人の①出生 ②婚姻 ③死亡 ④親族関係等について証明するもの
- 夫婦単位で作られ、その夫婦と同じ氏のついた未婚の子までの情報が載る
- 戸籍を設定している場所を本籍という
- 婚姻したら夫婦で新たに本籍地を設定する必要がある
- 戸籍は本籍地がある市区町村の役所で管理されており、その役所でしか発行されない
注意:戸籍はブロックできない
毒親に対して住民票の閲覧制限ができますが、戸籍は閲覧制限できません。
DVやストーカー被害を防ぐ目的で、配偶者に対しては戸籍をブロックできます。しかし、親に対して戸籍をブロックすることは、現時点ではできません。ということで、以下の注意事項をご覧ください。
注意事項
- 親に対し住民票ブロックをかけている方が、結婚で新たに戸籍を設定する場合、現在の住所を本籍地に設定すると住所がバレる可能性があります。
- 結婚すると、親の戸籍謄本には①子供が結婚した日にち ②子供の結婚相手の氏名 ③子供の結婚後の本籍地が記載されます。
- 上記の理由から、親が親自身の戸籍謄本を取得することで、子供の本籍地が分かってしまうので、本籍は誰も住んでいない場所に設定することが望ましいです。
⑤戸籍の附票
戸籍の附票とは
- 戸籍の附票とは、本籍地がある役所で戸籍とセットで管理されている書類のこと
- その戸籍が作られた時の住所~現在の住所が記録されている
- 以前に住んでいた住所の証明をしないといけない場面で役立つ
- 結婚で新たに戸籍を作ったとき、その結婚した時点での住所~現在までの住所が記載される
毒親に対して、戸籍の附票を閲覧制限できる
戸籍の附票には住所が記載されています。毒親への住所バレを防ぐために、住民票とセットで戸籍の附票も閲覧制限をしないといけません。
役所で住民票の閲覧制限の手続きをするときに、専用の書類を記入するのですが、その時に役所の方が「戸籍の附票もあわせてブロックした方がよいでしょう」などと案内してくれるかと思います。
⑥本籍
本籍とは
- 戸籍を設定している場所のこと
- 結婚時に夫婦で新たに設定する
- 実際に住んでいない場所も設定できる 日本国内であれば基本どこでも設定可能
- 富士山や皇居を本籍地に設定している、なんて人も
⑦入籍
入籍とは
- もともとある戸籍に、その戸籍の一員として新たに誰かが入ること
- 結婚時に婚姻届を提出することを「入籍する」と使われがちだが、正しくは「婚姻する」と言う
- 結婚時は夫婦で新たに戸籍を作るため、入籍とは言わない
入籍例:①離婚で子供が母親の名字に変わるとき ②再婚時に女性側の連れ子が母親の再婚相手の男性(筆頭者)の戸籍に入るとき…いずれも入籍届を使って手続きをする必要がある
⑧転籍
転籍とは
- 本籍地を他の場所へ移すこと
- 転籍方法⇒現在の本籍地がある自治体の役所or新しく本籍地に設定する自治体の役所に転籍届を提出。提出したその日から効力が発生する
⑨分籍
分籍とは
- その戸籍の筆頭者(戸籍謄本の一番上に名前が載っている人)とその配偶者以外の成人した人が、その戸籍から抜けて新たな戸籍の筆頭者となること
- 未成年は分籍できない
- 結婚している方は分籍できない(夫婦で新たに戸籍を作っているから)
- 一度分籍すると、氏が同じままで前の戸籍に戻ることはできない
- 分籍届を提出した日から効力が発生する
毒親から逃げるために分籍したほうが良い?
毒親から逃げる方法の一つとして分籍があげられることがあります。戸籍を新たに作り、親に居場所がバレないようにするという意味でしょう。
個人的には、分籍前に住民票の閲覧制限を先に済ませた方が良いと思っています。理由は以下の通り。
毒親から逃げる目的として分籍する時の注意事項
- 分籍前に住民票の閲覧制限をかけるべき
- 分籍しても戸籍謄本には分籍した内容(分籍した時の住所・分籍した日付)が記載されてしまう。だから親に戸籍謄本を取得されると、住所がバレてしまう恐れがある。
- 先に住民票をブロックしておけば、戸籍謄本の住所が記載される部分を目隠しすることが可能なので、親に住所がバレずに済む
- なるべく新しい本籍地は今までの本籍地と無関係の土地で、実際に住んでいる場所からも遠く離れた場所に設定しよう
毒親から逃げる目的での分籍は、有効といえば有効なのかもしれません。ただ、まずは住民票の閲覧制限をかけてもらってからでないと、ほぼ意味がないとも言えます。
⑩除籍
除籍とは
- 結婚などで新たに戸籍を作る時にこれまでの戸籍から抜けること
- 死亡により戸籍から抜かれる場合も除籍という
- その戸籍に入っているもの全員が、結婚・死亡・分籍をすることで、誰もいなくなった戸籍を除籍謄本という
- 除籍謄本は遺産相続などの手続きで必要になる
⑪転出届
転出届とは
- 新しい住所に引越す時、これまで住んでいた住所がある役所に提出する書類
- 「別の場所に移動する」という証明になるもので、必ず提出しないといけない
- 転出届提出後に「転出証明書」を受け取り、この転出証明書を新たな住所がある役所に提出する
- 住民基本台帳カードorマイナンバーカードが転出証明書の代わりになるので、持っている方は役所に持参しましょう
- 原則、引越しの前後2週間で提出しないといけない
すでに住民票ブロックをしていて、引越し先の住所でもブロックしたい場合
現在の住所で住民票閲覧制限の支援措置を受けている方が、引越し先でも同じように住民票ブロックしたい場合
- 新たな住所がある市区町村の役所で手続きしなおす必要があります。
- これまで住んでいた住所がある役所の担当者に「引越し先でも支援を受けたい」という旨を一言伝えてみましょう。
- その担当者さんが引越し先の役所に連絡してくれるかもしれません。そうなると話は早いので、手続きがスムーズに進むかと思います。
私が引越したときは、閲覧制限の手続きをしてくれていた担当者さんが、引越し先の自治体の役所へ連絡し、一通り説明してくれていたようでした。
おかげさまで新しい住所をブロックするときの手続きもスムーズにできました。
⑫転入届
転入届とは
- 転入届は引越し先で住所が変わった時、その新しい住所がある役所に提出する書類のこと
- 転入届の手続きは、原則住所が変わる前後2週間で済ませないといけない
- 引越し前の役所で転出届を提出した際に受け取った転出証明書を出す
- 新しい住所が今までの住所と同じ市区町村にある場合は、転入届ではなく転居届を出す
転入届を提出するタイミングで住民票ブロックもしておきたい
毒親に対して住民票をブロックしたいと考えていて、引越しする予定がある方。
そんな方は、新たな住所がある役所で転入届を出すときに、あわせて住民票ブロックの手続きもしておきたいですね。引越して転入届は出したものの、住民票ブロックの手続きはせずにしばらく期間があると、その間に毒親が住民票の写しを取得するかもしれません。そして新しい住所がバレてしまうという…。恐ろしいですね。
気を付けましょう…!
住民票ブロック用語集を作ったきっかけ
きっかけは、私自身が住民票ブロックについて調べていたときに、理解していないワードが出てきて困ったからです。
分籍と転籍の違いもよく分からず、住民票ブロックをしてもらう決意をするまでに時間がかかりました。
- 住民票ブロック
- 住民票
- 住民基本台帳
- 戸籍
- 戸籍の附票
- 本籍
- 入籍
- 転籍
- 分籍
- 除籍
- 転入届
- 転出届
今回はこれらの12項目についてまとめましたが、何かのお役に立ててもらえると嬉しいです!